テレビがうちにやってきた

温故知新、歴史を振り返りながら明日を探ろう

鉄腕アトム2-AIが仕事を奪う


 鉄腕アトムの中で語られる未来社会、小学生の私にとって、そこで語られる21世紀の社会というのは、遠い未来ではありますが決して無関係な世界ではありません。2000年とは小学生の自分が40歳の世界、ちょうどその時の両親の世代程度でその世界に生きてる可能性は限りなく高いのです。21世紀はアトムのようなロボットが闊歩する社会、手塚治虫はそれを人間を越えた能力を持つロボットと人間との間に軋轢の生じている社会として描きました。職人さんがロボットに仕事を奪われ希望を失ってロボットを恨むシーンとかロボットが迫害されて差別される世界とかです。自分の生きる21世紀とはそんな事の起こる時代なんだなという事は子供のころから知らされてはいたワケです。

 そのころから絵を描くのが大好きだった私ですので漠然と大人になったら絵を描く仕事に就きたいなあくらいには思っていました。子供心にそのころ思ったのは仕事が奪われていくと言っても絵を描くなんて仕事がロボットに奪われるのは一番最後の方だろうなと考えていました。そんな仕事が奪われる頃には世の中は全然まるっきり変わってしまってるに違いないから考えてもしょうがない、....子供だからムツカシイ事は分からないなんてことは決してないのでぼんやりとだけどそれくらいの事は考えていたように記憶しています。

 ChatGPTの登場以来、無くなる仕事が何だとかいう記事は良くみかけるようになりました。仕業が無くなる(弁護士、会計士、税理士とか)とはよく言われますがまさか絵を描くという仕事が自動運転にも先立ってなくなりそうというのは思いもしませんでした。それ以前からPCで絵が生成される噂というかNewsは無くはなかったのですが、それでも2022年夏のMidjounyの登場は衝撃的でした。初期の欠点も次第に正されてきていよいよ今年から生成AIが世間一般レベルでの浸透のフェーズに入ったと私は思っています。車と違って命がかかってないですからね。イラストの事故で人が死んだなんて聞いたことが無いですからこれからどんどん大胆に使われていくことでしょう。

21世紀はロボットがいっぱい

 写真術の登場時にも絵は無くなると言われましたがなくなりませんでした。CGの登場時にも絵の仕事は無くなると考えた人はいました。その時私が思ったのは完全な木、完全な花、完全な人のデータがあればそれのコピペで全て済んでしまうから仕事は激減する、....と思いましたけど起きたのはイラストレーターの敷居が低くなってやたら同業者が増えたことでしょうか?私が仕事をスタートした25才の頃はイラストレーターって希少種でどこにいっても珍重されたものですけど今ではめずらしくなくなったように思います。同時にビジュアル情報が贅沢化して看板、印刷物、動画など世の中ビジュアル情報満載です。アニメ制作も安くなったのか新作がいっぱい出てきますし町内の回覧板にさえもいらすと屋さんの可愛い絵が使われる世の中になりました。

 そんなわけでここから何が起こるかまだ分からない2024年ですが.....今日もどうやらAI絵のコンペがひとつ取れたようです。五里霧中ですが今もこの問題は進行中ですのでその都度、情報発信していくつもりです。